1階はぐるりと回れる回遊プラン
20年程前は玄関が真中にあって、廊下がそのまま真直ぐに伸びているという間取りの家が多かったと思います。
廊下には窓がなく、玄関の引き戸にあるガラスから少しの光が入っているだけで「ちょっと薄暗い」と感じる家が殆どだったと思います。
俗にいう「大工さんが建てた家」の多くがこのパターンになっています。
皆さん、ご存知のように現在はいろいろなパターンの間取りの家が増えました。
そんな中「ぐるりと回れる回遊プラン」についてお話させて頂きます。
「ぐるりと回れる」と聞いてどんな間取りを思い浮かべられますか?
キッチンの流しの周りを回れるとか廊下がロの字になっていて、ぐるぐる回れるという感じを思い浮べられた方もいらっしゃると思います。
でも、回れるだけでは何の意味もありません。廊下や通路がただ長くなっているだけという事もあります。
必要があっての回遊性でないと、なんの意味もないということです。
「意味がある回遊性」について簡単な例を上げます。ダイニングテーブルの回遊性についてです。
ダイニングテーブルは部屋の真中にあることが多いのですが、真中にあることで楽に配膳ができます。
お皿と箸をテーブルに置く時の事を思い出してください。6人テーブルだと隅から順番に置いて行き、ぐるりとテーブルを回って帰って来ませんか。
これが「意味のある回遊性」です。
テーブルが壁に付いていたらどうでしょうか。奥まで入って、又、出てこなければなりません。これは不便ですよね。
回遊できる事によって家事が楽になる場合があります。
最近、多くの家がLDK一体となっています。そんな中、食事の準備をしながら、洗濯をしいたいと考える主婦の方は多いと思います。
でも、キッチンが奥の行き止まりの所にある為に出入りするのが大変という家になっていたりします。
いろいろな制約があるでしょうが、キッチンからは簡単に廊下に出られるようなプランニングをしてあると、家事がとても楽に行えると思います。
(回遊できなくても簡単に出られれば問題ありません)
食事の準備と同時に洗濯をしいたいということであれば、キッチンから脱衣室や洗濯機置き場に簡単に行ければ良いわけです。
そして、物干し場まで簡単に行くことができるプランになっていれば、楽に一連の作業は完了します。
ですので、廊下やリビングなどを通り抜ける必要性も出てきます。
最終的にはぐるりと回れる感じになると使い易いということになります。
又、キッチンから右へも左へも行けるようになっていると脱衣室や洗濯機置き場に思った時に行けるようになり、やりたいことがすぐ出来る家になります。
これって、ストレスが溜まり難くくなりますよね!
回遊した方が良いかどうかということは、建主がどんな生活スタイルをしてきたか。新居でしていきたいかということを考える必要があります。
簡単に言ってしまえば「どんな使い方をしますか?」ということです。
ここを良く考えないと意味のない回遊性を持たせてしまうかも知れません。
自分の生活スタイルに回遊性がどのように必要かよくお考え下さい。
プランを作るのは難しいですが、回遊プランにはそんなメリットがあります。
●これから家を新築する方へ
回遊プランのメリットばかりをお話しましたが、デメリットもあります。
それは、通路となる部分の面積が余計に必要ということです。
プランによっては通路を部屋に取り込んで部屋を広く見せたり、ゆとりのスペースとして考えることができます。
プランニングのテクニックが必要な部分です。
又、回遊プランにしなくても使い易いプランは出来ますので、その辺はお間違えのないように!
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは部屋の通路を併用することです。
キッチンの隣にキッチン収納庫を造って廊下とつなげたり、ダイニングやリビングを抜ければ物干し場や脱衣所に行けるようにプランニングすることで使い易い家となります。
使い勝手を考え、どのように移動するのかを見極めれば使い易い家となります。
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